ネパール記(3)インド国境沿い、南部タライを駆け抜けて

 国土面積は北海道の約2倍、ちょうどその中心に位置するカトマンズからは東西南北に向かうバスが発着しており、市民にとって唯一無二の移動手段。外国人観光客が多い地域、例えばアンナプルナ連峰が見渡せるネパール第二の都市ポカラや、仏陀生誕の地である南部ルンビニ、またゾウやサイがいる国立公園、チトワン等へは「ツーリストバス」と呼ばれる大型バスが運行しているものの、長距離バスは「マイクロバス」と呼ばれるハイエース等の商用車が高低差が激しく狭い未舗装の道路で大活躍。


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 南部タライを通って西に400キロ向かうバスの予約は最短で到着するよう産地が行ってくれ、問題はその乗り場。長距離マイクロバスの乗車については、どうやらネパール人にとっても時より困難が伴うようで、外国人にとっては至難の業。今回、渡された情報はドライバーの電話番号とチケットカウンターがある場所のみ。定宿から徒歩20分、待ち合わせは朝5時半、日の出前となり、周囲は寒さに耐えかねて焚き火をしている人がチラホラ。指定された場所に着いたものの、チケットカウンターの場所が分からない。携帯に電話をし、ドライバーと話すも細かい場所を伝えてくるためチンプンカンプン。常套手段は道行く人に「ダイ(お兄さんという意味)」と声を掛け、無理やりスマホを渡し、ネパール人同士で話をさせること。どうやらダイは「オレに付いて来い」と言う。経験則で、この状況で嘘を付くネパール人はいないということは知っている。


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 チケットカウンターを発見。指定された場所から入り組んだ道を徒歩で5分、市内にある主要バスターミナルとは違い、特に暗闇では見つけるのが難しい。とにかく無事バスチケットを購入(代金900円)。実はここが乗り場ではないことは知っていて、電話番号を知っているドライバーとここで落ち合い、今度はドライバーのお連れらしき人物の二輪の後ろに乗って15分ほど移動する。まさに乗車前からアドベンチャーカトマンズ市内は「リングロード」と呼ばれる全長25キロ強の環状道路が走っており、二輪が着いた先は南部タライを西に向かうハイウェイが出ているリングロード沿い。朝6時、まだ日の出前のなか、当地には無数のバスが停車しており、チケットカウンターで会ったバスドライバーと合流、バスを待つ。今回の遠征をサポートしてくれる大事な仲間に乗れてまずは一安心。


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 「飛行機は使わないのか?」と良く日本で聞かれるが、答えは「使わない」。エベレスト・トレッキングやアンナプルナ連峰に向かう国内線は就航しており、トレッキング客を中心に利用が進んでいるものの、遠征先はド田舎。飛行機の定時就航率も低く、また、途中まで空を経由し向かっても、最終目的地までは地方空港からバスに乗る以外の手段がなく、その割には値段が桁違いに高い。バスでは1,000円未満で行ける地も飛行機であれば片道1万5,000〜2万円かかり、それでも飛行機が予定調和の遅延をしたら到着時刻はほぼ同じ。カトマンズから確実に産地に向かうためにはバスが最も効率的である。今回は約12時間、南部タライは平地であり穀倉地帯。風景は至って平凡、「12時間ってニューヨークに行けますよ」。大学時代の友人に言われた痛烈な言葉。正しい。

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 ネパールのGDPのうち25%が一次産業。主要産品はコメ、小麦等の穀物や家庭料理に欠かせないマメ類やジャガイモ等、また、歴史的背景から、例えばネパール東部イラムは紅茶の一大産地。「ダージリンティー」で有名なインド西ベンガル州ダージリン地方は嘗てネパール王国の領土であり、セイロンのウバ、中国のキーマンと並び世界三大銘茶のうちの1つ。今現在、ネパール東部イラムで生産された紅茶の大半は嘗ての同胞が多く住むダージリン地方に出荷し、「ダージリンティー」にブレンド。一方、近年、イラム・ティーへの注目が集まり、政府は「ネパール・ティー」として輸出強化品目に指定。


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 ネパール東部イラムはまさにインド西ベンガル州ダージリン地方に隣接しており、カトマンズからは距離にして約450キロ。ダージリン地方の北部が1975年にインドに併合されたシッキム州、以東はインド北東州6つがあり(マニプル、アッサム、ミゾラム、メーガーラヤ、ナガランド、アルナーチャル・プラデーシュ)、インド国有鉄道は首都デリーや商業都市ムンバイ、その他、チェンナイやバンガロール等、国内主要都市との2年以内の鉄道接続を計画しており、路線拡大を念頭に入れ、インド・ネパールを結ぶ鉄道車両のレール間隔は従来の狭軌から広軌に交換が終了。注目されるべきは中国の「一帯一路」構想だけではない。


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 道路整備の状況やハイウェイの確認のため、移動データはGPSで毎回取得し、記憶に頼らない管理を実施、そして産地からカトマンズに物流を組む際に活かす。当然、未舗装であれば速度は落ち、道路封鎖時の迂回路を探し出すためにも地図を含んだデータ管理は必要不可欠。上記データはネパール東部イラムに行ったときのもの、山岳地、丘陵地、タライ平原と3つの層からなる同国は丘陵地間での横の移動手段が乏しく、整備されたハイウェイが通る南部タライに一度出て、東西の移動を行い、最後に一気に丘陵地に駆け上がることが多い。最高2,000メートル近くから最低標高はタライの50メートル。寒暖差は20度近くとなり、車内での着替えが必要。


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 南部タライでは亜熱帯作物も多く生産され、ライチやバナナ、オレンジ、サトウキビ等、丘陵地帯ではコーヒー豆やショウガ、香辛料のカルダモンやウコン、胡椒等の生産も盛んだが、カトマンズ市内を中心に見かける多くの果物は主にインドからの輸入。輸入品占有率は約8割。バナナ、パイナップル、マンゴー、グアバ、オレンジ、ブドウ、スイカ等、また、リンゴは主に中国から輸入、ショウガは中国、インドに次ぐ世界第三の生産量であるものの、約6割をインドに輸出。加えて、二国間の貿易摩擦品目とされ、インドによる緊急輸入停止措置により、収穫期において国境付近で貨物輸送車が数週間、停留することも珍しくなく、ネパール産ショウガの市況は悪化、3年でキロ単価190ルピーから25ルピーまで下落している。


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 南部タライでは養蜂が盛んな地域もあり、カトマンズ市内にあるショップでは多くの蜂蜜が売られている。個人的な好みはサブ・ヒマラヤを原産とする花から採れた蜂蜜。パキスタンやインド北部等、一部の地域で生え、濃厚な食感と優しい香りが僕を惹き付ける。


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 また、「マウンテン・ハニー」と呼ばれる断崖絶壁の崖にある巣から採れる蜂蜜はキロ単価3,000〜4,000円近くで売られており、通常価格の6〜8倍。覚醒作用がある自然成分が含まれているとされ、その希少性から産地訪問のツアーが組まれるほど。「マウンテン・ハニー」が採取される地域に近いポカラの蜂蜜ショップ屋に以前、ツアーを誘われた際に値段を確認。確か、2週間で2,500ドル。ヒマラヤ・トレッキングとマウンテン・ハニーの組み合わせツアー。金より高いグラム単価100ドルで取引されるコウモリ蛾の幼虫に寄生するキノコの一種「冬虫夏草」も付いているぜ、と。

 
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 冬虫夏草の主な国内産地は中西部カルナリ県ドルパ群及びムグ群。収穫期は5月であり、こちらは南部タライではなく、中国チベット自治区との国境沿い、標高3,000メートル以上の高地。中国で乱獲されたため、ネパールやブータン等の産地に業者が触手。利権の固まり、所謂「マフィア産品」。採取を巡って殺人事件も度々起き、関わると碌なことが起きないため、僕は常に無関係を装う。


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  今回訪問した産地はとある品目の収穫期。日本から泡盛を持参し、産地とカレーを食べながら乾杯。双方ともに実りある一年となりますように。


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 最後に。2017年8月にネパール南部タライを襲った集中豪雨により、河川の洪水と土砂崩れに直面し、被災者となりました。本集中豪雨はインドとバングラデシュ合わせて、死者数1,200名以上。雨季のタライは自然災害が発生しやすく、渡航の際はくれぐれもご注意願います。


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 道路を覆う水量で孤立状態となり、この見えない道をジープで突っ切る


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 幾重にも広がる土砂災害。この先、約5キロを徒歩で越える


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 命がけで付き添ってくれた産地側の足元はビーサン、さすがとしか言いようがない


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 記念の一枚。僕は下から迎えに来た車に乗り、彼らは同じ道を徒歩で帰る。絆が強まったのは言うまでもない。本当に有難う

ネパール記(2)緩衝国家が乗り越えた2015年の2つの苦難

 2015年4月25日、日本時間15時頃に速報で流れて来たネパールで大地震発生のニュース、現地映像を見た瞬間に思わず声を失いました。「カトマンズが壊滅じゃないか」。短期駐在終了後、日本でキャリアを積む僕の長年の夢であったアジアでの農場運営は目覚ましい経済発展を遂げているネパールで仲間と共に達成していく決意が出来た2014年の再訪後、足を運び始めるなか、偶然にも地震発生直前までネパールに滞在。夜にかけて徐々に被害状況の内容が具体的な情報として入って来ます。インターネット上では、Facebookが恐らく始めて自然災害及びテロリズム発生における安否確認を行う"Safety Check"機能がスタートし、モニターに釘付け。最終的な被害はカトマンズ以北を中心に死者9,000名近くとなり、中国と国境を面するネパール北部を中心に多くの家屋が倒壊、今尚、震災復興に向けた長い歳月を要する取り組みが行われています。


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被災者の安否情報が右の"SAFE"ボタンで確認、最後の1人の無事が確認されるまで3日を要す

 甚大な被害が発生したなか、気付かされたことは食糧や医薬品を中心とした物資の配給が、物流や政治的事由から大幅に遅延しているにも関わらず、被災者による略奪行為が殆ど起きなかったということ。これは後に起きるインドによる経済封鎖において日用品が輸入されないなか、その限られた配給に市民が正しく並ぶ姿にも重なります。また、首都カトマンズにあるネパール最大のヒンズー教寺院「パシュパティナート寺院」では多くの犠牲者の遺体が荼毘に付され、その遺灰は「聖なる川」ガンジス川の支流となるバグマティ川に流されます。焚き木が不足するほどの遺体があったとされ、また本来、異教徒であるはずの仏教徒の遺族と寄り添う姿を見るに、ネパールという国は、民族間の軋轢を超え、苦難においては互いに手を取り合う多民族多宗教国家であることを強く認識した瞬間でもありました。


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カトマンズ中心にある世界遺産登録の「ダルバール広場」、回りは未だ多くの建物が倒壊 

 ネパールの歴史は2008年に王政が廃止されるまでは18世紀中頃から続くネパール王国として長く繁栄し、その前身ゴルカ王国まで遡ると約500年に近い歴史を有する国。いま現在の領土及びインドとの基本国境線が確定したのが19世紀前半、南アジアで植民地を拡大するイギリス東インド会社との戦いに破れるも、イギリスの保護国となり、王政は存続。1947年にインド・パキスタンが分離独立した後、ネパール王国がイギリス東インド会社と交わした条約での特権は事実上、インドが継承することとなり、ネパールとインドは1950年に「インド・ネパール平和友好条約」(以下、1950年平和友好条約)を締結。互いの国民は自由に国境を通過出来る「オープン・ボーダー」協定を含み、以降、インドによる侵食が本格的に始まることとなりました。それに対し、ネパール側は今なお、1950年平和友好条約を不平等条約とし、インドにその改定要求を行っています。


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ネパール南部タライにあるインドとの国境、オープンボーダー協定により通行が自由 

 2001年に起きた国家最大の苦難となる「ネパール王族殺害事件」は、共産主義の南下を予防するために締結した1950年平和友好条約と、以降、始まるインドによる国内政治への介入が事件に至る背景にあると推論します。特に、友好関係を害する恐れのある隣国との摩擦に関する通報義務(第2条)及び、インドによる武器輸入の独占権(第5条)は長くネパール王国を苦しめることになりました。1951年に王政復古に果たしたネパール王国の第8代君主トリブバン以降の歴代君主がインドの侵略を恐れるなか、中国と戦略的に接近し、1955年に国交を樹立。それは特に1975年にインドに併合されたシッキム王国(1642年〜1975年)の滅亡を目の当たりにすることでインドへの警戒感を次第に強め、中国からの武器の調達や国境沿いの街道整備を進めることで対等友好政策を本格的に実践して行きます。


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中国の援助を受けて再建が進むダルバール広場 

 一方、 1950年平和友好条約はネパール経済の発展を促したのも事実である。オープン・ボーダー協定はインド資本によるネパール南部タライに広がる穀倉地帯の開拓を進め、両国の緩衝地帯となっていたマラリアが生息する広大な人跡未踏のタライの開発は人的・経済的交流を高め、同地の商工業地帯化に大きく貢献。一方、乾燥並びに耕地では積雪によって農耕が難しくなるネパールの丘陵部・山岳地帯の余剰人口が南部に流動形成し、仏教徒が国土に広く分布することでヒンズー国家が弱体化、且つ、インド系住民が国民の多数を占め始めるなか、国王による絶対君主制による統治が困難となり、1990年憲法立憲君主制に移行。主権在民がうたわれ、国王は「国家と国民の統合の象徴」とし、複数政党制を認めるなど民主化を図った国王として国民から厚く慕われたのがネパール王族殺害事件で命を落とすことになったビレンドラ国王である。


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南部タライに流動形成した山岳民族、ダーン郡にて 

 ネパール王族殺害事件が起きた2001年当時は富の平等な分配を唱え、農民を扇動する毛沢東主義派マオイストによる反政府ゲリラ運動と政府軍の10年以上に亘る内戦が激しさを増す前、領土拡大を共に企てながらもネパールの共産化を恐れるインドとチベット動乱の飛び火を恐れる中国の狭間にいたのは事実である。まさに緩衝国家の苦しみと言えよう。

 

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ネパール王族殺害事件の舞台となったナラヤンヒティ王宮

 王族殺害事件ではディペンドラ王太子(事件直後、危篤状態のまま名目上は国王に即位し、その3日後に死亡)が父であるビレンドラ国王ら多数の王族を殺害を王宮で銃殺した惨劇であり、事件後に即位した親印とされるビレンドラの弟ギャネンドラ氏によるクーデータとする説もあるが、真実は未だ解明されていない。少なくとも国民はディペンドラ王太子を犯人とする政府発表に疑惑の目を向けており、国民に愛されたビレンドラ国王亡き王国は失墜、2006年の内戦終結を経て、共和制を採択することで2008年に王政廃止が確定し、長い歴史に幕が下ろされました。 しかし、ビレンドラ国王が制定した1990年憲法が効力を失い、新憲法草案準備が開始、2015年の制定時にまた新たな苦難をネパールは迎えることになります。新憲法の内容を不服とするインドが内政干渉を強め、ネパールとの国境を封鎖、一切の物資の輸入を止める「経済封鎖」を強行したのである。


インドによる「経済封鎖」を報道するアル・ジャジーラ 

 2015年9月、ネパール政府は共和制以降、初の憲法制定を行うも、1950年平和友好条約の「オープンボーダー」協定に伴い南部タライに流入するインド系住民「マデシ」の権利保護を主張、内政干渉を強め、政府に対し、憲法改定の要求を行いました。当時の首相オリ氏はこれを拒否し、 印ネの外交関係は悪化、インドはその報復措置として約5ヶ月間、135日間に亘る「経済封鎖」を強行。石油やガス、医薬品のみならず食糧の供給も実質停止となり、国内は大きく混乱、GDPは同年4月に起きた大地震と合わせて50%減、2015/16年度GDP成長率は2%を割る大きな経済的な損失が発生しました。また内陸国の特有の問題も浮き彫りとなり、1950年平和友好条約と合わせて締結された「インド・ネパール通商・通過条約」で定められたネパールによる西ベンガル州コルカタ港の施設供与は有事の際に利用できず、よって、鎖国状態に陥ること。オリ首相は同年10月に石油含む日用品輸入に関する覚書を中国と締結し、合わせて内港供与を懇願、中国は「一帯一路」構想の一部とすることで後に合意。中国のネパールに対する高い影響力を受け、インドは2016年2月に「経済封鎖」を解除することとなりました。

 

f:id:masaomik:20181212043550j:image経済封鎖実行時においても笑みが耐えないネパール人 

 2015年の起きた2つの苦難を乗り越え、ネパールは国民の間で連帯感が高まり、ナショナリズムが高揚。復興と経済再建に多くの時間を要するも、経済封鎖の解除から約2年を経過した2017年12月に行われた初の下院選でオリ氏が率いる「統一共産党UML」が歴史的圧勝を収め、政権を長く担った親印政党及び内戦を主導したマオイストはともに敗北。国民が選んだのはインドでも中国でもなく、ネパールによる強い主権の確立であった。国内不和の原因とされた政権不安は複数政党の活動が認められた1990年以降、初となる連立政権(当時はマオイストとの「左派同盟」、現在、党が合併)による2/3の獲得議席、そして念願の長期安定政権。強く大らかなオリ氏にビレンドラ国王の姿を重なる国民も多くいるでしょう。幾多の苦難を乗り越え、緩衝国家としての知恵を得たネパールの未来はまさに始まったばかりである。

 

参考文献目録

ネパールからインドへの人口移動 : オープン・ボ ーダーの歴史とグローバル時代における位置づけ小林正夫(2014年)

ネパール・マヘンドラ国王時代における対外政策の一考察」徐学斐(2018年)

ネパール記(1)中印に挟まれるヒマラヤ麓の国での原体験

 「カトマンズ市内でバスが連続して爆破されたようです。十分に気を付けて下さい」、現地側にそう伝えられたのは約半年にも及ぶ赴任が始まった2007年7月末、凹凸激しい道路に、渋滞の最中、クラクションを鳴らし続け全く動かない車。計画停電が実施される時間帯の夜は漆黒、50センチ前の視界すら全く見えず、夕立ちに使用した傘で前方の路面を触擦し、一歩ずつ時間をかけて進む。「どうやら来る国を間違えたな」と心底感じた当時のネパールは富の平等な分配を訴え、農民を扇動する毛沢東主義派マオイストと政府軍の10年以上に亘る内戦を終えた翌年、自動車産業のメカニカル・エンジニアを育成するプロジェクトの現地責任者として情報が全くない国へ赴くこととなりました。勿論、内戦終了直後の国に産業などあるはずもなく、唯一無二の資源は「ヒト」である。


f:id:masaomik:20181113212836j:image 街を彩るチベット由来の五色の祈祷旗「タルチョー」

 北は中国のチベット自治区に、東西南はインドに国境を面するネパールの国土面積は北海道の約2倍、人口は約3,000万人、同じヒマラヤ麓の国となるブータンの主要宗教がチベット仏教に対し、ネパールは約7割がヒンズー教、2割が仏教を信仰し、イスラム教徒やキリスト教徒、また、精霊「アニミズム」を信仰する山岳民族までもがその文化を後世に継承しています。言語学では北からチベットビルマ語派が南からインド・アーリア語派の影響を受ける多民族多宗教国家であり、the Diplomatの記事"The Geopolitics of Language in the Himalayas"によると、ネパールでは123言語の存在が確認がされ、文化や宗教が習合する地であることは、長年、大国からの侵略を受けながらも民族間を超えて結束し、独立を維持し続けたことと無縁であるとは言えないでしょう。また、南部に位置するネパール第三の都市ルンビニは仏教の開祖ブッダ生誕地であり、この国に多様性をもたらす大きな要因となっています。

 ヒマラヤ山脈の印象が強い同国は首都カトマンズの標高1,300メートルを基準とし、北緯中国チベット側に向かえば最大標高はエベレストの8,848メートル、南緯インド側に向かえば最低標高は約50メートル、特に南部一体は穀倉地帯、タライ平原と呼ばれる湿潤地帯が広がる亜熱帯気候、国民の約半数がこのタライに居を構えています。嘗てはマラリアが生息した大湿地帯、17世紀以降、インドの植民地化を進めるイギリス東インド会社の進駐をネパールが受けなかったのは、マラリアが生息する湿地帯を抜けて幾重にも聳える山々がその行く手を阻んだためとされています。いま現在のタライは東西1,000キロ超を結ぶハイウェイにインドとの通関施設が至るところにあり、多くの産業投資が進むネパール経済の大動脈。

 2007年、同国での経験は僕の人生を変えました。現地責任者と言えば聞こえが良いものの、事務所の立ち上げから現地主要大学からの人材獲得、御年60を超えるクライアントのボスと二人三脚で行い、採用面接は1人30分を1日20人計10時間を行った直後にはさすがに横たわってしまい、「北川、お前もまだまだだな」と笑われる始末。さすがは日本で一時代を築かれた方。嘗てブラジル工場を立ち上げた際に、幾度もウナギの稚魚の持ち込みを試みるも、全てが死滅。一度、偶然にして全ての稚魚が生きていたときがあったようで、「理由は分かるか?空輸ボックスのなかに一匹のピラニアがいたんだよ。それに食われまいとウナギの稚魚が必死に逃げ回り、生き延びた。そう、オレがピラニアだ」、どうやら組織にはある一定の緊張感が必要らしい。


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2007年駐在時の筆者

 現地最難関大学から採用したネパール人15名が僕の部下となり、ピラニアのボスとの間に入り、彼らを育てて行く。実はこのプロジェクト、タイと合わせた二国で実施されており、2007年の立ち上げは全くの手探りの状態のなか、A/Bテストを含んでいました。同じ大学の偏差値を卒業した新卒の学生に対し、一定期間、同一教育プログラムを与えたのち、自動車産業のエンジニアとして日本で就労するのは何名か。ネパールの劣勢が想定されるなか、結果は真逆のタイが15名中1名、ネパールが15名中14名(脱落者1名は唯一の女性雇用者)、内戦終了直後、荒廃したネパールにおいて、外国に出る意欲が何よりも強く、情報が遮断されたなか「世界の全てを知りたい」という貪欲な目とその熱量に完全に負かされた僕が涙ながらに語った赴任最終日の言葉は「いつか一緒に働こう」。

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ネパール最大のショッピングモール「カトマンズ・モール」、市内の景色は10年変わらず

 原発対応含め国内の仕事が一段落付き、再訪したのが2014年、目覚ましい経済発展を遂げたネパールは電力供給も十分となり、アジアで農場運営がしたいという長年の夢を叶えてくれると思った矢先の2015年に同国は度重なる不幸に襲われることとなります。死者9,000名近くを生んだネパール地震と、インドによる内政干渉及び内陸国ネパールとの国境全てをインドが封鎖し、物資の輸入を止める「経済封鎖」の実施、まさに建国以来最大の危機である。

とりあえず成都でアリババの生鮮スーパー行ってきた

アリババが運営するスーパー「盒馬鮮生」(フーマーフレッシュ)、同社が展開するニューリテイル中核店舗、いま現在中国内で40店舗弱を展開
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有人の会計コーナーはなく、入口も無防備、店舗レイアウトは極めてシンプルで、店内ではフリーWiFiが使用可能
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真っ先に水産コーナに進む
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商品に対してバーコードと値札の表示
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小ぶりな上海蟹も2,000キロ離れた内陸成都まで輸送
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その場で調理、キッチンにはカメラが設置されており、購買者によるモニタリングが可能
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料理①
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料理②
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店内は専用端末を持ったデリバリー用のピッキングスタッフが少なくとも10名ほど
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中には走るスタッフもいて、30分配送のためにテンヤワンヤ
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採れたての新鮮野菜が充実、右下には「不卖隔夜菜」、翌日は売りませんよと表記
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色別で曜日が予め指定されており(水曜は3でオレンジ)、消費者にとって非常に分かりやすい
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玉子は生食用まで販売
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デリバリー用にピックされたものはバッグに入れて天井に備えたベルトコンベアで倉庫へ
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店内の天井はベルトコンベアは複数経路あり、何かしらのデータに基づき仕分け
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真下からも撮ってみた
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店内、ベルトコンベアで移動中

いよいよ会計、基本的には商品バーコードをスキャンさせるだけ、見る限り、店員が必ずサポート(購入商品を買い物袋に入れるのも店員)
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タッチパネル形式で購入商品、単価、個数が全て確認出来る
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支払いはアリペイ、スマホをかざすだけ
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支払い完了(支付成功)
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店内、目を引いたのはバーコードリーダーで得られる産地情報、右下のバーコードをアプリで読み込むだけ
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産地情報は詳細に記載されていて、一部の商品は一連の出荷体制まで画像表示、トレサビリティ情報に対応

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食べ方まで説明されており、とにかく消費者目線

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結論、生鮮品の鮮度は高く、産地管理も徹底されていて、とにかく消費者ファースト。充実しているアプリから30分配送のオーダー需要が高まっているようで、それにもとても納得

南アジア2018年上半期ニュース50選

アフガニスタン(1)

1月

1,840kmに及ぶTAPI(TトルクメニスタンAアフガンPパキスタンIインド)の天然ガス輸送のパイプライン、政情不安が続くアフガニスタンでの工期ついに開始。輸送能力は330億立方メートルと世界最大規模

www.livemint.com

 

バングラデシュ(3)

2月

ダッカ証券取引所DSEがインド国立証券取引所や米ナスダックの提案を退け、深センや上海証券取引所からなる中国のコンソーシアムに25%の株式売却へ。なお、DSE時価総額は510億ドル

m.economictimes.com

 

3月

1972年締結の印バ水上交通通商協定PIWTTに基づき、来月両国首脳が会談、印コルカタと同東部をバングラデシュを経由し結ぶ交通協定を新たに締結。西ベンガル州シリグリ経由の1,700kmから500kmにルートが一気に短縮へ

www.hindustantimes.com

 

4月

西ベンガル州を経由し、カトマンズダッカを結ぶバスの試験輸送がスタート。総距離1,197kmうちインド50km、ネパール699km、バングラデシュ488kmとなり、2017年に批准されたBBIN(BバングラBブータンIインドNネパール)に基づく内容

kathmandupost.ekantipur.com

 

ブータン(1)

5月

WHOが発表した世界の大気汚染都市ランキングに工業都市パサカがインドの大都市と合わせて上位に名を連ね、国民総幸福量GNHのモデルに矛盾が発生。パサカはその歪みの象徴、工業製品のインドへの輸出や水力発電所建設による環境劣化等、痛みに直面

thediplomat.com

 

インド(24)

1月

域内周辺国全てが16ヶ月以内に総選挙を迎え、インド政府警戒か。昨年末のネパール、パキスタンは今年6月、モルディブは9月、ブータンが今夏、アフガニスタンは大統領選が来年4月。同盟国バングラは年末年始。現ハシナ政権が既に劣勢にありインド苦境か

timesofindia.indiatimes.com

 

収穫期が雨季のカリフ作と乾季のラビ作の2つに区分されるインド。主な品目は前者ではコメ、綿花、後者では小麦、マメ類。今年度のカリフ作の生産見通しが前年比3%減。また、ラビ作は小麦や油糧種子の播種の大幅減により、農村経済は厳しい見通し 

www.livemint.com

 

2025年までに1兆ドルの製造業を興す「メイク・イン・インディア2.0」実現のため、ユニクロやテスラ等計10社の嘆願のもと政府は単一ブランド小売業への外国直接投資FDIの緩和を検討。現状、100%出資は可能だが、49%超の出資は政府認可が必要

www.bloomberg.com

 

物品・サービス税(GST)の導入により、インドの物流市場が現状の1,600億ドルから2年以内に2,150億ドルに拡大。2,200万人の雇用を創出し、物流コストは10%減、また輸出は最大8%増える見込み

economictimes.indiatimes.com

 

2月

毎年2月1日は当年度政府予算案発表。今回は2019年総選挙に向けた大型財政出動。年間50万ルピーを上限に医療費無償化を1億世帯5億人に行うモディケアを発表。これはオバマケアを上回り、世界最大規模、現状支援額の15倍以上

www.livemint.com


3月

インド農業省が国内利益保護のため、米モンサントが開発した遺伝子組み換え綿花「Bt綿」の特許使用料を20%削減。同種は現地マヒコとの合弁事業、マヒコ・モンサント・バイオテクMMBを通じて販売され、2016年よりモンサントとインド政府が対立

www.livemint.com

 

インドの2つの州で試験的導入が噂されるベーシックインカムBI、「銀行口座」「携帯番号」、そして、普及率99%、13億人を監視する個別識別番号制度「アドハー」の3つの連携により少なくともBI導入インフラは間もなく整備

www.livemint.com

 

4月

カシミール地方で大規模衝突、これまでに20名の死者を確認、単日被害としては近年最大。イスラム過激派を支持する若者を中心に被害か。印パの衝突は一昨年、青年将校ワニ氏の死亡を機に、両国の軍事警戒レベルが急上昇、SAARCも一時停止状態

www.bbc.co.uk

 

赤字経営に苦しむ国営航空エア・インディアの民営化、同社株76%を売却。同航空は国内線12.3%、国際線42.8%の市場を獲得、国内首位のインディゴ航空やジェット・エアウェイズと米仏連合、シンガポール航空等、世界有数の市場を巡り熾烈な争奪戦

www.livemint.com

 

4月1日、一部の州で始まった電子貨物運送状「eウェイビル」、GST体制下で物品輸送の枠組みを与える規則であり、5万ルピー相当以上の物品の移動に際し、登録者はeウェイビルを入手する必要がある。4月15日より新たに5州での採用が決定

economictimes.indiatimes.com

 

2019年10月までに屋外排泄ゼロの政府目標を前倒しをし、2018年12月までに全農村部にトイレの設置を行う新たなキャンペーンを展開。政府統計によると、トイレがない国民は2014年調査の5億5千万人から2018年調査の2億人まで減少している

www.livemint.com

 インド全体における雇用機会のうち、南部が40%、西部が28%、北部が25%、東部が7%となり、職を求めて多くの若者が北部から南部に移動を開始。主要都市はハイデラバード、バンガロール、チェンナイ、IT産業を中心に南部が活気付いている

timesofindia.indiatimes.com

 

5月

WHOの発表によると、大気汚染が進む世界15の都市のうち14がインドが占め、「ワースト」はウッタル・プラデーシュ州の工業都市カンプール。首都デリーは6番目となり、PM2.5の濃度は安全基準の3倍、PM10は同4.5倍、一方、数値は昨年より改善

timesofindia.indiatimes.com

 

国連の報告書によると、約2,600万人を抱えるインドの首都デリーの首都圏人口が2030年までに東京を超え世界最大となり、また、2035年までの予想人口が4,300万人と同国のムンバイとコルカタの合計人口と同水準にまで増加

timesofindia.indiatimes.com

 

インド国有鉄道が北東州5つ(マニプル、ミゾラム、メーガーラヤ、シッキム、ナガランド)を結ぶ国内路線の2年以内に構築。またミャンマーバングラデシュや、中国国境沿いアルナーチャル・プラデーシュ州タワンを接続する路線も合わせて構築か

economictimes.indiatimes.com

 

インド政府は100万人都市では3キロ毎、また、高速道路では50キロ毎にEV電気自動車向けの充電スタンドを設置することを検討。エネルギー関連企業からは、NTPCやパワーグリッド、インド石油公社が公聴会に出席、官民一体となった大型事業の発足か

economictimes.indiatimes.com

 

インドeコマース最大手Flipkartを買収したウォルマート、新規出店計画を早め、4〜5年以内に50店舗の開業を新たに計画に。主な州はパンジャーブ、ウッタル・プラデーシュ、テランガーナ等となり、現時点での市場占有率はFlipkart34%、Amazon27%

www.livemint.com

 

6月 

印モディ首相による先月末のインドネシア訪問、同国サバン島のインフラ共同整備に合意、中国の「一帯一路」に対抗するインドの沿岸警備政策はイラン・チャバハール港、オマーン・ドゥクム港、東アフリカ沖セーシェルの4拠点を軸に展開へ

timesofindia.indiatimes.com

 

印パ加盟後初となる上海協力機構SCO首脳会談が9日、山東省青島市で開幕。非公式となる中印首脳会談では、印アッサム州以南でガンジス川に合流するブラマプトラ川の水量データの共有や、バスマティ以外のコメの輸入において両国が覚書を締結

timesofindia.indiatimes.com

 

山東省青島市で開催された上海協力機構首脳会談にて、インドが中国が提唱する「一帯一路」構想の採択、参加国のなかで唯一決議に反対。領有権を主張するカシミール地方を中パ経済回廊CPECが通過することによる主権への脅威が根幹

timesofindia.indiatimes.com

 

飲料水のうち約8割、灌漑用水の3分の2を地下水に依存するインド、国の6割の地下水が枯渇且つ品質問題を抱え、健康被害が多く発生。都市部の水利用のうち5割を地下水から取水しているため、UP州や西ベンガル州等、一部の州で地盤沈下も確認

timesofindia.indiatimes.com

 

米国産の大豆等に25%の関税を上乗せする報復措置を行う中国、調達確保の一環のため、同じく報復措置を行ったインド等からの輸入品目、8,500に対して減税措置を行う方針。大豆の関税は現行3%からゼロとなり、中印の貿易不均衡に改善の兆し

economictimes.indiatimes.com

 

中国に次ぐ出資国のインドがアジアインフラ投資銀行AIIBに対し、合計24億ドルの融資を模索。AIIBは現在、同国で6つの事業を認可、合計融資額が12億ドルとなり、また2億ドルの融資を国家インフラ投資基金NIIFに実施する方針

www.livemint.com

 8,500万ドルが投資されるインドによるイラン・チャバハール港開発、2019年までインドが運営を行うことが決定。インドは米国の措置に従わず、原油の主な輸入先となるイランを支持、同港起点によるアフガニスタンへの回廊構築を共に進めていく考え

zeenews.india.com

 

ネパール(6)

1月

2015年の大地震を乗り越え、中国電信が中ネ国境沿い山岳地帯に約200kmの光回線を開通、ネパールテレコムに1.5Gのネットサービスを提供、タタコミニケーションズ等のインド系企業の寡占に終止符が打たれる

myrepublica.nagariknetwork.com

 

ネパール中央銀行NRBによると、直近5ヶ月の貿易赤字が前年比13%拡大。2/3がインドからの輸入となり、中印の輸入量はそれぞれ1.4%、13.2%増。石油を中心にインド依存の実態経済が顕著に。一方、対中国輸出は78.4%増となり、政府は輸出を強化へ

kathmandupost.ekantipur.com 

2月

昨年末の下院選、左派同盟を組んだ統一共産党UML共産党毛派マオイストの合併交渉が合意。ネパール共産党として、UML議長オリ氏を新首相として政権発足へ。2/3の議席を獲得し、5年間の安定政権。一方、マオイストと首相任期を分け合う方針

kathmandupost.ekantipur.com

 

3月 

南アジアで最も高いGDPに占める送金率、2017/18年度は24.25%となり、世界で4番目に高い依存度。昨年度の送金額は約7000億ルピー、中東、東南アジア、日本、韓国を中心とした出稼ぎ労働者は300万人を超す

thehimalayantimes.com

 

6月

シンガポールでの開催が予定されている米朝首脳会談、総合警備をシンガポール警察部隊のグルカ兵が実施か。1,800人のグルカ兵が同警察部隊に所属、傭兵の歴史は古く、イギリス東インド会社から約200年、近年ではアフガン紛争にも参加

kathmandupost.ekantipur.com

 

中印両国によるネパールでの鉄道計画が加速化。チベット鉄道のカトマンズ南進に加え、インドはビルガンジ〜カトマンズ間を念頭に入れたビハール州からのインド国有鉄道の北進、またタライ平原を横断する945kmのメチ・マハカリ鉄道の調査も開始

kathmandupost.ekantipur.com

  

モルディブ(3)

1月

中国とFTAを締結したばかりのモルディブ、大統領特使の外相と印モディ首相が会談し、「インド第一主義」を強調。人口40万人の大半がイスラムスンニ派の同国、人口1人当たりのIS参加率は世界ワースト。IS流入を恐れるインドは巻き返せるか

timesofindia.indiatimes.com

 

2月

反テロ罪で収監中の前大統領ナシード氏の最高裁による保釈命令を拒否している大統領ヤミーン氏への弾劾手続き開始。ナシード氏はインド寄りとされ、同国が支援。また、ヤミーン氏の親族となる長期独裁政権を築いた元大統領ガユーム氏、逮捕

timesofindia.indiatimes.com

 

6月

9月に行われる大統領選、野党のナシード元大統領陣営を支持するインド、現政権との関係に亀裂発生か。中国が港湾開発を行う環礁に配備されていたインド軍ヘリ二機の撤去、インド側はヤミーン大統領の側近の入国を明示なく禁ずる措置を継続 

scroll.in

 

パキスタン(6)

1月

アフリカ東部ジブチに続き、中国がパキスタン・バロチスタン州ジワニに軍地基地建設か。ジワニは中パ経済回廊CPECの出口グワダル港とイラン・チャバハール港の中間地でアラビア海沿岸

timesofindia.indiatimes.com

 

ナショナルフラッグキャリアパキスタン航空が2018年末までに中パ経済回廊CPECの出口に当たるアラビア海沿岸の町グワダルと首都イスラマバードを結ぶ路線を就航へ。見落としがちだが、陸海「空」の3つが一帯一路の柱

tribune.com.pk

 

CPECの出口グワダルがあるバロチスタン州で予てから続く独立運動バングラデシュを重ね、インドの更なる支援を求める声。同州は嘗てオマーン領土(1797年〜1958年)、現地バルーク族が豊富な天然資源の地元還元を主張し、政府と対立

economictimes.indiatimes.com 

5月

アリババがパキスタンeコマース最大手Darazを買収。同社はバングラデシュスリランカミャンマー、ネパールの計4.6億人の市場をカバー、うち35歳以下が6割を占める。ウォールマートの印Flipkart買収に続き、南アジアのeコマースに大きな変化

techcrunch.com

 

印モディ首相がジャンム・カシミール州での水力発電所の竣工式に出席。2009年着工した330MWの同発電所に建設に対し、国の8割の農業用水を同河川に依存するパキスタンが、1960年締結のインダス川水利条約に反するものとして強く抗議

in.reuters.com

 

外貨準備高不足に陥るパキスタン政府が先月、中国の銀行より10億ドルの融資を受け、その一部をIMF融資への債務返済に充当か。同国の外資準備高は昨年4月の181億ドルから今年5月には108億ドルまで急落

timesofindia.indiatimes.com

 

スリランカ(6)

1月

スリランカ北部カンケサンチュライKKSの港湾開発にインドが4,500万ドルの融資へ。1/10に政府がインド輸出入銀行"Exim Bank"とMoU締結。タミル人居住地となるKKS、内戦終了後治安が安定し、インドは今後、商業港として利用

www.livemint.com

 

2月 

2月10日に行われたスリランカでの地方選、前大統領ラージャパクサを支持する野党のスリランカ人民戦線SLPPがウィクラマシンハ首相率いる与党の統一国民党UNPに圧勝。連立を組むシリセーナ政権への影響は必至、前ラージャパクサ大統領、復権か 

www.indiatoday.in 

3月

スリランカで反イスラム暴動、政府が10日間の非常事態宣言を発令。2011年以来7年振りとなるが、国民の7割を占める仏教徒のシンハラ人と人口の10%未満のイスラム教徒の衝突は2014年にも起きており、先の地方選の影響を受けて現政権弱体化

economictimes.indiatimes.com

 

スリランカのウィクラマシンハ首相が膨れ上がる対中債務を背景に日印投資を呼び込む談話を発表。中国はハンバントタ港の99ヵ年租借を昨年行い、2017年時点、債務が50億ドルまで拡大。また日本はトリンコマリー港への投資に関心

economictimes.indiatimes.com

4月

11億ドルで港湾運営権を中国の国有企業「中国港湾工程公司」に貸与したハンバントタ港、1日1隻の寄港と利用頻度が著しく少なく、今後は燃料積込等の港湾施設を整備し、シンガポールUAEからの寄港を増やし、収益改善を行う方針

timesofindia.indiatimes.com

 

6月 

中国とのFTA交渉しているスリランカ、昨年度の対外債務は17%増加し、約300億ドル。うち5分の1を中国が占めるとされ、2016年度の二国間の貿易はスリランカの輸出額2.1億ドルに対し、中国からの輸入額は42億ドル、貿易赤字の更なる拡大を危惧

www.reuters.com

 

※免責事項

当該和訳は、英文を簡易的に翻訳したものとなり、完全性、正確性を保証するものではありません。和訳はあくまでも便宜的なものとして利用し、記載されている情報より生じる損失または損害に対して、いかなる人物あるいは団体にも責任を負うものではありません。

 

ネパール写真記(4)雨季入りに豊穣を願う

今回の遠征のパートナー
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カトマンズにある小型バス専用ターミナル
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バスで6時間、向かうはネパール中西部ゴルカ群
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まず到着したのはカトマンズ以西150km、ゴルガ群に隣接するタナフン群。乾季にはヒマラヤを一望f:id:masaomik:20180614034608j:image

今回も温かく出迎えてくれたネパールの家族
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まずはダルバートで腹ごしらえf:id:masaomik:20180614045235j:image

路上の端で戯れる犬

Playful Dogs from Masaomi Kitagawa on Vimeo.

ムクドリの雛
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ヒマラヤ山脈アンナプルナ連峰より流れるネパールの主要河川
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周囲を山々に囲まれ長閑な農村地帯
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炎天下のなか、産地に向かう
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マンゴー大樹の下で涼む村人たち。ヒンズー教ではマンゴーは万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされる
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犬もマンゴーの樹の下で寝る。とにかく暑い

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目的地到着、10年前駐在時の部下の親戚の生家
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まずはカレー風味の即席麺で腹ごしらえ
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暑くて寝る元部下の従兄弟
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その間、周囲を探検。農村では多くの家で牛を飼う
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雑草を狩る農家
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お目当てのライチ
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ネパール中西部でも栽培が盛ん

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ライチの房を手に取る女の子
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白く透明で美しい
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手話で会話する村人たち

Local Nepalese with Sign Language from Masaomi Kitagawa on Vimeo.

日傘を差して下校する女子高生

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仔牛を力一杯引く女の子

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新緑豊かな農村は間もなく雨季に入る

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豊穣を願うヤギと同乗し、帰路に着く

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成都写真記(3)ハイテク産業と天府の国

四川料理の代表格、火鍋
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午後3時から火鍋を突く地元民、夕方にはほぼ満席、夜は長蛇の列
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主要沿線揃う中心地「太古里」駅地下外にあるスイーツにも長蛇の列
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市街地から地下鉄で約15分、ハイテク産業集積する新都心「高新区」
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外資系企業の誘致にも積極的、今や成都GDPの約3割が同区、ニューエコノミーを牽引
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アリババも昨年、西南センターを成都に移転、将来的には従業員5,000名近くが勤務
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天府の国、四川盆地に位置する成都は豊富な水嶺で独自の文化が発達
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「宵越しの金を持たない」気風が醸成、長江水系岷江支流「錦江」沿いがナイトスポット
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多くのバーから夜景を堪能でき、「天府の国」の礎は紀元前3世紀から存在する水利施設による治水
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 週末夜には「辣妹子」、四川スパイス・ガールでごった返し、錦江沿いが賑やかに

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市街地に向かう川沿いにも多くの高層ビルが立ち並び、西部大開発は進む

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今回は四川省の南に隣接する雲南省昆明市を経由し、ネパールへ。昆明成都と並び「一帯一路」の要衝
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昆明長水国際空港は2012年に開港。中国の空港のターミナルビルでは、北京首都国際空港 第3ターミナルに次いで、2番目の規模
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首都カトマンズにある「トリブバン国際空港」に降り立つと真っ先に目に入る、チベット鉄道沿いにあるショッピングモールの広告がお出迎え
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